タイトルとかはないよ、いまんとこ。

>アスペな自分 頭でっかちにならないように、体験ベースで書けよ。

石井朝子氏に感情について教わり穏やかで前向きなやりとりを目指す:感情を爆発させる子どもへの接し方

弁証法のことよくわかってないな、と思ってネットで調べていたら、弁証法的行動療法というものがあることを知った。それについての本を探してであったのがこの本。翻訳監修の石井朝子氏は、マインドフルネス啓蒙団体のCEOのようです。

組織について │ ヒューマンウェルネス インスティテュート

感情。アスペルガーにとっての永遠のテーマのひとつ。子育てのことを考えるのか、自分のことを考えるのかで整理の方向が変わってきそうです。今は目次順にぱらぱらコメントしていきます。

はじめに

「効果がなく不適応な行動を効果的で適応的な行動に置き換える」ことを常にやりたいよね。常にバージョンアップ。

洞察、気づき、新しい対策やテクニックによって、効果がなく不適応な行動を効果的で適応的な行動に置き換えることは、実際に可能なのです。親子のあいだで長いことかけて作り上げられ、自動的に生じるようになった厄介なパターンを、穏やかで前向きなやりとりに変えることができるのです。

本書を読めば、リネハンがDBTの中核をなす原理の1つに挙げた、受容(acceptance)と変化(change)の弁証法(1993a)について知ることになるでしょう。ペアレンティングの枠組みで弁証法を語るなら、「あなたとあなたの子どもは今までベストを尽くしてきたし、今現在もベストを尽くしている。そして、あなたがた親子はよりよくなるために新しいスキルを学ぶことができる」となります。

読んでいるうちに混乱してきたら、先に第11章に目を通して、セルフケアの方法を学ぶとよいでしょう。

第1部 親と子どもと激しい感情

第1章 激しい感情と子どもの気持ち

セルフイメージは思考ではなく感情の結果ということのようです。確かに、悲しいことが多ければ、自信なくしたりしそうだもんな。

「その考えは心地よいので近づいた」「その考えは恐ろしいので遠ざかった」みたいに人間は動くのかも。一時的感情はほぼ反射みたいなもので、その反射に対しての社会的反応が二次的感情かなあ。

いわゆる「根に持つ」「忘れない」「許さない」というのが、二次的感情から出てくるってことか。そしてそれは過去の経験からくる憶測であることが多そうだ。相手への信用ががた落ちになってるときに、怒りが消えなくなるのかも。そうなると、抜け出すためには信用を取り戻さないといけない。

また、妻に言わせると、私も私の母も感情表現が乏しいのだとか。自分がどんな感情をもっているのかを自覚するためのサポートを受けた記憶、ないなあ。

どのような感情を抱くかによって、ありとあらゆる行動やその実行のしかた、自分のことをおおむねどう思うかといったことが決まります。

一次的感情と二次的感情

一次的感情…生理的な刺激によってほぼ自動的に生じます…コントロールする余地はほとんどありません…「身構える」「心配する」「腹が立つ」など

二次的感情…一次的感情に対する反応として生じます(Lazarus and Folkman 1984)…二次的感情の発生と持続はかなりの部分でコントロールが可能です。

二次的感情は長く尾を引いて、不適切な行動反応を引き起こす傾向があります。

…はじめに腹を立てたことを思い出し、早とちりだったと気づきます。そう思うと後ろめたくなってきますが、これが二次的感情なのです。

過去の経験から得た信念や憶測から生じます。…1つの一次的感情から複数の二次的感情が引き起こされることもあります。

子どもの感情の強弱

子どもによって外見が異なるように、感情反応もさまざまです。
同じ子どもでも、状況によって感情反応の強さが異なります。
その場ですぐ生じる反応だけでなく、しばらくたってから起こる反応もあります。
でも、わけのわからない行動をとるからといって、子どもを責めないでください。何が起こってどう感じたのかを子どもが自分で把握して説明するには、親の助けが要るのです。

専門家に相談した方がよい場合

  • 状況、反応、原因、結果を区別して考えることができない。
  • 何かあると極端な反応を示す。
  • すぐにカッとなる。
  • 重要度に応じて優先順位をつけることができず、どれを選んでよいか分からない。
  • 気が動転するような出来事が起こると、落ち着きを取り戻すまでに時間がかかる。

専門家の助けが必要かどうかを判断するには、前の項目に目を通し、そこに記されている反応が起こる「頻度」と「持続時間」をチェックしてください。

感情的な心、理性的な心、賢明な心

アスペルガーは「理性的」に振る舞おうとしすぎる。感情がないわけではないので、直感を否定しがち。直感をもっと大事にすべき。

感情なしに行動は生まれない。説得で相手の行動を変えるのが難しいのは、感情がついてこないからか。

今、娘が泣いていると「そういうこともあるよ」って言ってしまいがち。口癖になり掛けてるし気をつけた方がよさそう。(20/6/5)

3つの心のうち1つが優勢な人もいれば、状況によってある心から別の心へと揺れ動く人もいます。…DBTの目標は、賢明な心で考えられるようになることです。

感情的な心

理性的な心
どんなもめごとが起こっても解決策を見出し、問題を片づけることにやりがいを感じます。ところが感情のことになるとお手上げで、子どもや家族の気持ちを理解することが出来ません。
賢明な心
リネハンが提唱するDBTの枠組みでは、感情と理性を統合して重ね合わせたものが「賢明な心」であり、賢明な考えに通じる道とされています(1993a)。賢明な判断を下すとき、人は状況全体を的確にとらえ、感情と論理の両方を取り入れて、直感的に判断しています。
あなたの子どもが激しい感情の持ち主で、ほとんどいつも感情的な態度をとるのなら、親であるあなたがなるべく賢明に考えるように心がけなければなりません。

「生まれか育ちか」論争

「子どもはどのようなプロセスで激しい感情を持つようになるのか」…生まれ(遺伝や生物学的要因)と育ち(環境)のどちらか一方が原因というわけではありません。

親子のあいだの相互作用

「大丈夫、じきによくなるよ」といった言葉を、親はいったいどれだけひんぱんに口にすることでしょう? 親がよかれと思ってすることとはいえ、このような言葉をかけられた子どもは、自分の気持ちなど取るに足らないものだと思うかもしれません。子どもの反応が激しいと親がまともに取り合わなくなり、子どもの気持ちはますます乱れます。これは親と子が相互に作用し合うプロセスであり、だれのせいでもないのです。

意図せず承認を無効化する

…実はこのとき親は自分でも気づかないうちに子どもの経験に対して承認の無効化をしている、つまり認めていないのです(1993a)。

感情の承認の無効化による悪循環


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思考、感情、行動の連鎖反応

思考から感情が生まれ、感情から行動が生まれる

「思考」とは、心の中で自分に言い聞かせる言葉や態度、信念のことであり、場合によってはイメージの形をとります。思考の中には、自分でも気づかないうちに自動的に生じるものもあります。一方、感情はほぼ例外なく思考によって引き起こされます。
「感情」とは身体に見られる生理的反応であり、その人が体験していることに具体的な形を与えます。
そして、思考と感情の次に来るのが「行動」です。つまり、感情に対する反応と作用が行動なのです。
状況に対する反応としての感情と行動を変えるためには、自分の思考に気づくスキルが必要なのです。

子どもと子どもの行動を分けて考える

たとえば、子どもが腹を立てて泣きわめいているからといって、「怒りっぽい子ども」とは言えません。正しくは「起こって泣きわめいている子ども」なのです。
わざわざこのように区別するのはなぜでしょうか? 子どもが心の傷を負ったまま成長し、人としてどこかかけている部分を残したり、自分を恥ずかしく思ったりしないようにするためです。

感情のストーリー

ストーリーの構成要素

  • 脆弱性:傷つきやすくなっている状態のこと。
  • 誘発事象:引き金となる出来事。
  • 出来事に関する思考や思いこみ。
  • 身体感覚や生理的反応
  • 感情それ自体
  • 感情に続く行為や行動:その人が実際に何をしたか。これがストーリーの結末となる(Linehan 1993b)。

ストーリーの結末を変える

  • どのようなときに自分が傷つきやすくなるのかを知る
  • 考え方を変える
  • 身体の反応に気づく
  • 場合によっては、自分の傷つきやすさや思考に気づかないときもあります。何かまずいことが起こっているという兆しが身体の反応にしか現れないことがあるのです。…こういうときは深呼吸をして1から10まで数え、意識的に手や肩の力を抜くとよいでしょう。
  • 行動を変える

ストーリーの結末を変える最後のチャンスとして、もっと楽な気持ちになるために状況に対する反応を改め、別なやり方で行動するという手段が残されています。

まとめ

本書では一貫して次のことに重点を置いています。
(1) 子どもが激しい感情を持ち、問題行動を起こすのは、だれのせいでもない。
(2) 子どもは今後変化する見込みがある。

第2章 効果的なペアレンティング

どんなときも人はその状況下でのベストを尽くしてるんだと考えられれば、お互い居心地良いだろう。そして、さらに向上するためのサポートを、たとえ大人同士であっても、与えあえるといいのに、というのは、甘えだろうか。

大人には、確かに、社会にでるまでに、身につけられていることが想定されている社会的スキルというものが存在している。でも、みんながみんなそれを獲得できているとは限らない。獲得できていないスキルについて、なぜできないのか、と糾弾されるのは、正直に言って、とてもとても辛いことである。

「効果的なペアレンティング」とは…子どもの自尊心や価値観や自信を育むことを目標とし、それにかなうようなやり方で子どもに応対をしたり、子どもと接したりすることです。

DBTの前提

  • あなたの子どもはベストを尽くしている:子どもには、日によって、あるいは状況によって、機嫌の善し悪しがあります。…けれども、どんな日にもあなたの子どもは、ベストを尽くしているのです。
  • あなたの子どもが変化するためには、もっとうまくやり、さらに努力し、やる気を出す必要がある。
  • あなたの子どもは、自分が今とは違う行動をとり、物事がもっとうまくいくことを望んでいる。
  • あなたの子どもは肝心なときにどう振る舞うべきかを学ばなければならない。:子どもが状況を問わずにスキルを使えるようになるまでは、さまざまな状況に合わせたスキルを教えてやらなければならないのです。
  • 子どもの家族は物事を前向きにとらえるべきであり、最悪の事態を想定するべきではない。:相手の言い分をよく聞き、真相を確かめるようにすれば、お互いに相手を受け入れる余地が生まれます。
  • 絶対的な真理など存在しない。

第2部 子どもの感情に対処する

子どもの本心を知る

感情に圧倒される子どもへの接し方

ほか

第3部 子どもの行動に対処する

行動の原理と激しい行動

期待、制限、日課を維持する

ほか

第4部 家族への支援:二次的被害を最小限にする

第10章 子どもの激しい感情が家族全体に及ぼす影響

第11章 親が自分を大切にし、自分らしく生きる

受容は、仏教で言う「諦め」(明らかにする)と似てますね。

受容(アクセプタンス)

手持ちの札で勝負するしかありません。いくらがんばっても変えられないこともあるのです。自分の力で変えられないことを受け入れれば、変えられることを見つける可能性が広がります。

次のようにする必要があります。

  • 自分の力で変えられることと変えられないことを区別する。
  • 現実を否定しても現実から逃れることはできないと肝に銘じる。
  • 今までとは違う新しい視点から物事を見ることができるように、積極的にリラックスする(Linehan 1993b)。
  • 変化を目指す際には、自分自身を承認し、根気よく続ける。
  • 第2章で紹介したDBTの前提を思い出し、「自分は今、よりよくなろうとベストを尽くしている」と考える。

今この瞬間に生きる

子どもが順調にやっているときや、親子で楽しく過ごしているときには、そのことにマインドフルになり、それを認め、その瞬間を味わいます。

  • 子どもがすんなり起きて、学校に行く支度をした日。
  • 学校からの呼び出しがなかった週。
  • しばらくのあいだ、子どもがきょうだいとおしゃべりをしたり、遊んだりしている。

自分の人生を生きる

親がもっとつらい思いをしたからといって、子どもが楽になるわけではないのです。

まとめ

これまで見てきたように、こういったスキルによって親が穏やかに暮らせるようになるだけでなく、子どもとの距離も縮まります。

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