タイトルとかはないよ、いまんとこ。

>アスペな自分 頭でっかちにならないように、体験ベースで書けよ。

列挙と修飾の注意事項

2017.06.23 職場のチームメンバー向けに書いたものです。

項目を列挙した表現に、長い修飾が組み合わさったりすると、係り受けが分からなくなったり、並列関係が分からなくなったりしやすい。一度、TCの日本語スタイルガイドに戻って、基本を押さえ、推敲の観点としたい。

例文

修飾語は修飾する語句に近づける

どの表現に係っているか、2パターンの解釈ができてしまう置き方はNG。

× 3日前に送信されたメールが不達となったことが分かった。

○ 3日前に送信されたメールが、不達となったことが分かった。

○ 送信されたメールが不達となったことが、3日前に分かった

修飾語はできるだけ短い表現にする

× メモリーカードは、撮影した写真を記録して、管理したりプリンターで印刷したりすることができる記録媒体です。

○ メモリーカードは、撮影した写真を記録するための記録媒体です。メモリーカード内で写真を管理したりプリンターで印刷したりすることができます。

※ あとで「パラレリズム」としても見ます。
※ TC本にあった「たりたりする」と「できる」の組み合わせの例文
※「も」と「できる」の組み合わせの例文はなさそう。ex)「管理もできる」vs.「管理することもできる」

並列の表現を正しく対応させる

× 文字を大きくしたり、下線を引いて強調する。

○ 文字を大きくしたり、下線を引いたりして強調する。

× オリジナルとコピーを比較する。

○ オリジナルコピーを比較する。

パラレリズム

比較しやすいように、同じ形の表現を並べる。

○ メモリーカードは、撮影した写真を記録するための記録媒体です。メモリーカード内で写真を管理したりプリンターで印刷したりすることができます。

× 暖色系の色は実際の画面より大きく広がったように見え、寒色系の色には実際より小さく引き締まった印象がある。

○ 暖色系の色は実際より大きく広がったように見え、寒色系の色は実際より小さく引き締まったように見える

並立表記時の注意事項

(2016/8/3「TCセミナー「論理的で翻訳しやすい日本語の書き方」共有」)
並立できるのは同格/同階層の情報。太字部分は厳密に言うと同格とは言えないため、比較できそうで比較しにくい/比較できない。そのため、端的に書けているように見えて、実はしっかり理解しようとするとつまずく可能性がある表現。

? 海外の規格と海外向けマニュアル制作に必要なこと

? 組織が自主的に行うことと顧客の満足を考えること

? 運転記録を時系列に記述し、自動追跡結果を破線で記述します。

修飾語先出の逆茂木文/必須情報と随意情報

日本語では修飾部を前に置く。複数の枝が、一つの中心部(太字)に収束する形になる。英語では中心部が先行して、その補足が枝分かれしていく。

JP) その研究所は、存在が次第に注目されつつある神経医療分野でよく使われている自己診断機能を有するそのデバイスを開発した

EN) The research lab has developed the device that has a self-diagnosis function, usually seen in the neural medication field, which has gradually been increasing its presence.


必須情報と随意情報に分割すると以下のようになる。

必須情報:その研究所は、あるデバイスを開発した。

随意:そのデバイスは神経医療分野でよく使われている自己診断機能を有する。

随意:神経医療分野は、存在が次第に注目されつつある。

必須情報を集めてみると?

それだけでは読みずらい。とはいえ、必須情報はできるだけセットにしておきたい

? 次第に注目されつつある神経医療分野でよく使われている、自己診断機能を有するバイスを、その研究所は開発した

主語と動詞の間に長い修飾語を挟まない

(2016/8/3「TCセミナー「論理的で翻訳しやすい日本語の書き方」共有」) 
たとえば、こんなリライト案。主語と同士を可能な限り近く、かつ、読みずらくもなりすぎず。

神経医療分野では、自己診断機能を有するデバイスがよく使われていて、次第に注目されつつある。その研究所も そうした自己診断機能を有するバイスを開発した

参考書の関連記載

第2編 日本語スタイルガイド

第2章 読みやすく書く

2.4 1文の長さに気を付ける

    2.4.1 1文は50字以内を推奨する

    2.4.2 「~し、」、「~り、」を使って文を長くしない

2.6 修飾語を正しく使う

    2.6.1 修飾語は修飾する語句に近づける

    2.6.2 複数の修飾語・修飾部がある場合は、長い修飾語・修飾部から順に記載する

    2.6.3 修飾語はできるだけ短い表現にする

2.7 助詞を正しく使う

    2.7.6 接続助詞を使って文を長くしない

2.8 句読点を正しく打つ

    2.8.3 語句の係り受けをはっきりさせるために打つ

    2.8.5 語句を並列させたり、並列させた語句を等しく修飾したりするために、読点を打つ

第3章 誤解されないように書く

3.7 注意が必要な表現

    3.7.3 並列の表現を正しく対応させる

第5編 翻訳しやすい日本語の要点

第1章 翻訳しやすく表現する

1.2 一定した視点

    1.2.1 直示(ダイクシス)

    1.2.2 文中の視点の変化

1.3 パラレリズムと論理性

    1.3.1 パラレリズム

    1.3.2 論理の展開

第2章 日本語の特性を知る

2.2 文章構造の違い(日本語と英語)

    2.2.1 修飾語先出の逆茂木文

    2.2.2 必須情報と随意情報

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