タイトルとかはないよ、いまんとこ。

>アスペな自分 頭でっかちにならないように、体験ベースで書けよ。

マニュアル制作ディレクションについて考える

取説業界のまとめ役、TC協会によるマニュアル制作におけるディレクション業務の教科書。

ミスだらけの現場のリカバリの旗振り役として、これまで編集/ライターでディレクション未経験だった私が投入されて1年。これまでの経験を整理。

ちなみに、私自身のこれまでの略歴:

  1. クライアント独自CMSを利用したCHM HELP執筆/編集CHMコンパイルまで→後に近い内容のHTML HELP(スマホアプリに組み込まれるもの)に移行 ※アプリ組み込みは担当外 ※多言語展開あり
  2. 近い内容の別クライアントのPDFマニュアルのディレクション/編集 ※日本語のみ
  3. 元のクライアントの近い内容のWEBマニュアルの編集/執筆CMS利用のためコーディングなし) ※多言語展開あり ※トピック指向ライティング導入
  4. まったく違う内容の別クライアントの紙マニュアルの執筆/編集→ディレクションに役割変更 ※一部英語展開あり
マニュアル制作ディレクション

マニュアル制作ディレクション

 

はじめに

第1編 ディレクション業務と制作工程

第1章 ディレクション業務とは

ディレクションを受けたことはあっても行ったことはなかった。編集・執筆時に整っていると嬉しい環境を整えることディレクションの仕事だと思っている。あとは、現場に無意味な作業をさせないために出来るだけクライアントと話をして、必要なこと不要なことを切り分けていくことも、大事な仕事だと思って取り組んでいる。

編集者が編集とライティングを兼務していて、その編集者とは別によりクライアントに近い立位置にディレクターがいる場合、編集者とディレクターの役割分担が曖昧になりやすい。即断を求めるクライアントが相手の場合は、かなりの部分までディレクターが決めてしまうケースもある。

目標とする品質のマニュアルを、目標とする期限までに、目標とする費用で制作すること

第2章 制作工程

制作工程全般に関する知識と数か月に及ぶ長期的な洞察力

第3章 制作マネジメント

制作マネジメントの全体像に続き、品質、スケジュール、コストをマネジメントする「基本的マネジメントスキル」や、チーム内のコミュニケーションの円滑化やリスクへの対応に必要な「多種多様なマネジメントスキル」を説明する。

3.1 制作マネジメントの概要

目指すべきマニュアルの姿が一貫していれば対応しやすいが、メーカーの好みが「ユーザー目線」の名の下にやってくることもある。

私としては、基本的には、以下を守ることで、クレームに強い取説をつくることが、良いマニュアルの最初の一歩だと思っている。

  • 誤記がない
  • 目次構成と情報配置に無理がない
  • 配置した情報をつなぐページ参照に無理がない
  • ルールがわかりやすい

一文一文の表現のわかりやすさは、上記が整っていれば多少わかりにくくても、構成の力で読ませられると思っている。

3.1.1 制作マネジメントとは
マニュアル制作における制作マネジメントとは、良いマニュアルを作るための意思決定および行動である。
本書では、ユーザーに受け入れられ、製品を使用するための実用性に優れ、ユーザーの満足度向上に寄与するマニュアルを「良いマニュアル」と定義する。
3.1.2 マネジメントの全体像
◆品質マネジメントシステム
◆品質マネジメントの原則(ISO 9000シリーズより)
PDCAサイクルについて
◆製品に関する要求事項を満たす
3.2 基本的マネジメントスキル

予測可能性をあげるために、プロジェクト管理の考え方は、どんどん取り入れていきたい。取説制作は、製品の開発スケジュールにあわせて動くため、プロジェクト管理的な考え方は、とくにソフトウェア開発が絡むような場合は、相性がいいはずだ。

要件定義とタスク分解が肝。取説のスケジュールって、縦が分冊構成、横が日付で、メーカーから決められた校正期間を埋めて、残りが制作期間となりがち。そこに、開発要件が固まるタイミング=仕様がはっきり分かった状態でその機能について書けるのがいつかを組み込んだり、取説事態の改善項目を検討するタイミングを組み込んで、初校で一旦すべて盛り込めるようにする。残りは、指摘対応を重ねる、みたいな感じになるか…

※上のスクエニの人のスライドはこちら(ゲーム開発プロジェクトマネジメント講座)。これは結構取り上げられてるけど、神PDFと思う。

3.2.1 品質管理

定量的に測定可能な品質は、たとえば、誤字や脱字の数、色の指定違い、製本ミスなどである。これらは、工程ごとに標準的なチェックリストを用意し、各工程の最終段階でチェックすることにより改善することができる。
定性的に評価される品質は、たとえば、わかりやすさや魅力といったもので、主観的な基準で評価されるものである。ディレクターは良いマニュアルを見分ける力を持たなければならない。…標準化によって必要最低限の品質は保つことができるであろう。

3.2.2 スケジュール管理

◆スケジュール管理の目的
◆スケジュールの作成

経験がなくても、ディレクターは組織内の経験者に工程と必要時間の算出を依頼することができる。…集めた情報を分析し、判断し、意志決定することがディレクターの主たる役目である。

◆スケジュールの更新
◆スケジュールの遅延防止
  • 管理方法・コミュニケーションの方法を随時見直す
  • 進捗状況を目に見えるように表す
  • 各作業における達成基準を適切なものにする

ディレクションの費用は、どのようにクライアントに請求されるのが一般的なのだろうか。私の経験した範囲だと、制作会社からクライアントへの派遣の場合は時給。必要に応じて訪問しながら編集者がディレクションを行う場合は、制作費用の一環として請求するか。

個人的によく参照するWEB制作会社LIGのブログでは、制作費の3割をディレクション費用とするイメージで説明されていました。より詳細には、実制作の3割+企画などディレクション業務の人日。

3.2.3 コスト管理

◆コストの見積もり
◆マニュアル制作のコスト
内製費用:ディレクターの人件費
外注費用:
  • 企画・構成・表現設計、ライティング、編集・版下データ作成、査読、評価
  • 印刷・製本、CD-ROMやDVDディスクのプレス、パッケージ費用
◆コストと品質、納期
3.3 多種多様なマネジメントスキル
3.3.1 コミュニケーション管理
◆制作スタッフとのコミュニケーション
◆発注元と外注の間のコミュニケーション
  • 納期、納品物、納入方法、納入場所
  • お互いのコミュニケーション方法
  • 問題発生時の対応方法
  • 制作するマニュアルの仕様
  • マニュアルに記載する情報の受領方法、時期
取り決めは必ず文書化しておく。
仕様変更情報に関しては、受けたものも収集したものも、1件ごとに、日付、発信者、変更項目、変更内容の詳細を記録しておく。
それぞれの校正作業では、その段階で何をチェックしてもらいたいのかを必ず文書で知らせるようにする。主観的な好みによる文体の修正など、不要にスケジュールを遅らせる要因をできるだけ排除するためである。
  • 情報の記載漏れや記載間違い、説明不足や説明過剰
  • 機密情報の漏えい
  • 外注先との取引におけるコンプライアンス
  • 外注先との取引上のトラブル
  • マニュアル自体(紙やインキ)に含まれる化学物質
3.3.3 スタッフ管理
スケジュールが逼迫した場合、自主性を尊重した管理方法がとれなくなることがある。ディレクターは状況に応じて、迅速に適切な判断を下し、製作スタッフの作業を具体的に指示しなければならない。
3.3.4 外注管理
◆外注時の注意点
任せきりとは言っても、社内外との折衝や意志決定、状況把握と分析はディレクターの責任で行うことである。また、検収時に要求通りの成果となっていることの確認もディレクターの役割である。
3.3.5 仕様情報管理
3.3.6 構成管理
マニュアル間の情報の整合性や関連性(参照、リンクなど)には細心の注意を払う必要がある。すべてのマニュアルを管理するのはディレクターだけなので、ディレクターが責任を持って管理しなければならない。

 http://www.total-assist.jp/article/super/super05.html

第2編 企画・設計

企画・設計をあいまいなままで制作をスタートさせると、いくら制作工程の中で努力しても、良いマニュアルを作ることはできない。また、無駄な工数を発生させ、コストアップにつながる結果となる。

良いマニュアルを、予定のコストとスケジュールで作るには、明確な企画・設計が必要である。

第1章 企画立案

各機能について、

  • 前提知識をどの程度書くのか
  • その製品固有の知識ではなく一般的な基礎知識についてどの程度書くのか
  • 機能の制限事項や注意事項についてどこまで細かいことを書くのか

みたいなことを迷ったときに立ち帰る場所が、マニュアルが誰に向けられたものなのかを、なんだと思う。ただ、既存のマニュアルの改訂の場合には、その段落が書かれた背景(具体的にどんなクレームを解消しようとしている記載なのか、とか)の方が知りたかったりする。そういう、ミクロな企画をどう管理するかが悩みどころ。

計画書の発行を受けて、ディレクターは企画・設計の工程に入る。どのようなマニュアルを制作するかという具体的な方針やイメージを決める企画・設計は、マニュアル制作の出発点となる重要な作業である。

…新規企画や改善企画など企画の内容や方向性に合わせてそれぞれ必要な知識や作業について述べる。

第2章 情報収集と分析

制作に必要な資料や素材のリストと、それがどのタイミングで手に入り、いつ原稿に反映するかを予めまとめておき、それを穴埋めしていくとよい。

取説への反映は終盤で良くても情報はすでに入手可能な場合は、早めに入手しリストなど振り返りやすい資料として編集者に提供しておくこと。後回しにすると失念しがち。年間で複数プロジェクトが同時並行するような場合は、最初のプロジェクトの検討を行う段階からすべてのプロジェクトを見通しておかないと、走りながら考えている余裕はなくなり、後手に回る。

例)アイテム管理用の品番など

ここら辺りからが職人芸といったところか。

 

似たことは、すでにのべたエディターシップにおいても見られる。編集の機能を、表現する筆者と、受容する読者との手をつながせることであるとするならば、エディターシップは自分の個性や才能を縦横に発揮してケンランたる誌面をつくり出すことにあるのではない。むしろ、自分の好みなどを殺して、執筆者と読者との化合が成立するのに必要な媒介者として中立的に機能する。

思考の整理学 (ちくま文庫)

第3章 評価

第4章 構成案

目次構成の検討を、記載内容ではなく、紙面のスペース最優先で、「空いているスペースに記載する」、「ページが増えないように目次構成を校正ごとに変える」ことが横行している案件があり、カルチャーショック受けた。

ユーザーがマニュアルを利用する目的に合わせて情報を分類し、全体のストーリーを組み立てて形にする作業である。

第5章 表現設計

途中から引き継ぐと、見出しの階層や、メモ的な要素に対するデザインの使い分け(全体を枠で囲むとか)のルールを紙面から読み取れず、実際に追記するような場面でこまごまとしたタイムロスが発生するということを痛感した。

紙で困るのが、紙面に限りがあること…というよりは、ページ数が4の倍数(あるいは16の倍数)で大きく増えてしまうためにページが増えることや余白を空けることをクライアントが嫌がる場面があること。

また、OEM製品だと、最終的な発注元はクライアントではなく、そのもう一つ先の発売元メーカーとなるため、発売元メーカーに説明しきれる内容かどうかも重要になってくる。その説明はクライアント担当社員の役割になるため、その担当社員が理解できなければ理解できるまで説明を求められるか担当社員の要求通りの内容になるかになる。結果、制作側が考える適切な設計を無視した要求を進行のために呑まざるを得ないこともある。細かい言い回しはともかく、設計部分は制作意図を守りたいところだが。。。

原則的な表現設計を無視した無理やりなレイアウトになると、読みやすさ/検索性といったユーザー的な使い勝手の観点からも、DTPで手動調整が増えるといった制作手番の増加といった制作のやりやすさの観点でも、面倒な冊子になってしまう。

さらに、クライアントの要求が発売元メーカーで蹴られることもあり、そうなると大きな二度手間となってしまう。これについては頭を悩ませているところである。

5.1 表現設計の基本概念

5.2 紙マニュアルの表現設計

5.2.1 表現設計の目的と概要

◆表現設計の目的

◆表現設計の流れ

①表現設計工程への準備

  • 操作ステップの最大数
  • 文書の構成要素とその役割、表記ルール
  • 検索の方法、種類と機能

②サンプル原稿の作成

③サンプルレイアウト

④制作ツールの選定

⑤基本フォーマットの作成

⑥カンプの作成

  • マニュアルの中で頻繁に出てくるページを取り上げる
  • 説明が特に複雑なページを取り上げる
  • 構成要素をすべて盛り込む(アイコンなどデザイン上の構成要素も含む)

5.2.2 ルールの作成

◆執筆ルールの作成

  • 文体
  • 使用する階層
  • 用字・用語

◆図版ルールの作成

  • 画面例
  • テクニカルイラスト
  • 概念図

5.2.3 基本フォーマットの作成

◆基本フォーマットの構成要素

  • 見出し
  • リード文および本文
  • 操作手順
◆基本フォーマット作成の流れとポイント

①要求事項のまとめ

②デザイナーとの打ち合わせ

③原案の作成

④原案の検討

⑤基本フォーマットの完成

⑥レイアウトツールでの準備

5.2.4 デザイン表現

◆デザイン表現の目的と効果

◆デザイン表現の基本理論

  • 視線の流れ
  • バランスを取る
  • コントラストを付ける

◆紙マニュアルのページの構成要素見出し

  • リード
  • 本文

◆ページの種類と役割

  • 表紙
  • 目次

◆用紙サイズの選択

◆版面率と視覚効果

◆カラー印刷

5.3 電子マニュアルの表現設計

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第3編 制作基盤の構築とその運用管理

クライアント内でのフェイズ移行のための審査フローと、実際に制作を進めるために必要な制作フローを組み合わせるが、OEM製品だったりするとさらにもう1つ審査フローが増えたりしてややこしく、日程調整が困難になり、結果制作手番を圧迫することになる。

また、既存フローが整理されておらず誰も全容を把握していないため、1から練り上げなおし、情報入手のタイミングや入手先もリストアップしなおすなど、かなりの労力を要する。

第1章 品質管理と制作基盤構築

チェックリストがそもそも存在しなかった案件がある。

作ってあっても運用前にクライアントにチェックリスト提出をもとめられ、提出したもののクライアントが実制作の成果物チェックや情報収集に追われチェックリストの承認を出してくれず、制作側でもそれをただ待ってしまい、結局運用されずじまい、という悲しい状況。

また、DTPデータの作りが複雑化していて、ある箇所を編集したら予想もしなかった別のページがおかしくなったりすることもある。このあたりも表現設計がうまく行っていれば解決できるのだろうけど。編集後、全ページ対象に、編集前後の差分を確認して、想定外の変化を潰すことは必須だと思う。

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第2章 紙マニュアルのための制作基盤

2.1 執筆工程

◆紙マニュアル制作の標準的な流れ

①企画

②構成

③表現設計

④執筆

⑤作図

⑥レイアウト・デザイン(DTPと編集)

⑦校正(査読)

⑧版下データの作成

⑨印刷・製本

◆執筆工程の標準的な流れ

①構成の項目単位における文字原稿の執筆

②文字原稿の構成および修正

③作図の指示

DTP工程への指示と文字原稿データの受け渡し

◆執筆ツール

◆校正ツール

◆ファイルフォーマットとファイル名

◆執筆費用の見積もり

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2.2 作図工程

◆作図工程の標準的な流れ

①指示書による作図内容の確認

②作図

③確認、修正

DTP工程に進めるための指示とデータの受け渡し

◆作図ツール

◆写真

◆テクニカルイラスト

◆概念図

◆表

◆グラフ

◆画面イメージ

◆印刷イメージ

◆キャラクターイラスト、イメージイラスト

◆ロゴ

◆作図費用の見積もり

2.3 DTPと編集工程

DTPと編集工程の標準的な流れ

①文字原稿、図(画像データ)など、素材の確認

②文字の流し込み

③画像データの挿入

④本文以外の要素の調整

⑤ページ全体の調整

⑥出力

⑦査読

⑧査読結果の確認と修正

⑨入稿データの受け渡し

DTPソフト

◆レイアウト作業指示

DTPと色の指示

◆編集作業指示と編集者の役割

編集者の役割は、制作コンセプトに従って各種の素材を整理し、レイアウト作業工程へ進めること、作業の進捗管理、ページレイアウトの確認、全体構成のチェックなどを行うことである。

  • 見開きページのレイアウト
  • 見出しの整合性
  • 図表の統一

DTP費用の見積もり

2.4 査読工程★

クライアント側が取説制作部門、開発部門、品質管理部門、サポート部門など関係者を集めて読み合わせを行うことをメインとしている場合がある。これは良し悪しだと思っている。ただ投げっぱなしで全く見てもらえるよりはましなのかも。できれば、事前にデータで確認してもらい、要望をリストアップしてきてもらうなどして、議論が発散しないようしたいところだ。

また、査読結果の修正方針を決めるまでがなかなか厄介。特に、決めの問題ではあるが、制作側ではなくクライアントが決めるべき課題に対して、クライアントが判断に迷い、制作側に相談してくるケース。何を返したとしても最終ジャッジはクライアント側で出してもらう必要があり、非常に時間のかかる作業となる場合が多い。

この場合、ディレクターがクライアントのコンサル的立場となるが、ディレクターの意見では飽きたらず、制作現場のライターの意見やデザイナーの意見を聞きたいと言う話になってくると、時間がいくらあっても足りない状況に。

決め手に欠け泥沼になるのは、指摘が入った記載の存在理由が不明な場合。何のために書かれているのかが分からないと、手を入れにくい。改めて考えていかなきゃいけなくなったりする。win-win or no dealで行く手もあるか。

要件の方向をまとめるので時間を使い果たし、編集者による原稿整理工程がDTP期間に食い込んで…という日程の問題が発生しやすい。原稿整理を半日程度は確保しておくべき。

また、方向性を付けた後、実際に成果物にそれが反映されたかをきちんと押さえること。反映されるべき物については、きちんとリストアップして、校了時にはそのプロジェクトで何をやって何をやらなかったのか、全体像を把握できるようにしておくこと。

「延々と(原稿を)直し続けるのは、すごく贅沢なことです。稲垣足穂は、自分の作品を何年も直していたそうですね。宮沢賢治も死ぬまで直していたとか。みんな、直したいと思うんですね。」

https://t.co/NFB4du1LPd

記載内容が正しいかどうか、ユーザーにわかりやすい内容となっているかどうかを製品や仕様書、社内規定や法律に基づいてチェックする

◆紙マニュアル査読工程の標準的な流れ

①査読用出力紙の用意

②査読依頼書の作成と各担当者への配布

③関係部門による査読

④査読結果の統合

⑤修正指示

⑥原稿修正

⑦修正後のチェック

⑧再修正

⑨入校データの受け渡し

⑩色校正

◆査読の準備

◆査読で行うべきこと、留意点

  • 技術面での正確さ
  • 編集面での正確さ
  • 文字校正

◆実機動作確認、ソフトウェア動作確認と作業環境

  • 記載の手順に漏れやぬけ、重複がないか
  • 手順の表現に誤りや読者を混乱させる表現がないか。
  • 実機の外観、ボタン、パネルなどの名称や図解に誤りがないか

◆査読に必要な、文章表現、図による表現、編集についての理解

  • 文章表現
  • 文章の構造
  • 用字用語の使い方

◆色校正の留意点

2色以上のカラー印刷を行う場合は、出稿作業後、色校正を行う。

◆査読の反映、修正

ディレクターが、査読結果を1つにまとめ、どのように修正するかを調整する。

この作業が不在のまま、ライターまたはDTPオペレーターで修正作業を行うと、修正の方針にぶれが生じたり、指示が入っていなかった同様の個所の修正漏れが発生するなど、マニュアルの品質が低下する。
修正後は、査読結果をまとめて出力紙と付き合わせて、修正漏れがないかチェックする。

今後、チェック工程について説明する機会がありそうなので、図にまとめました。(一部情報ぼかしています。)f:id:jinthebassman:20200713230103j:image

2.5 翻訳工程

日→英の品質管理には割と自信あったというか、好きな作業だったけど、今は無いので少し残念。

英→多言語になると手が及ばなくなるし、作業の繰り返しで神経すり減るのであまり好きでなかったな。。。

2.6 印刷出稿データ作成工程

ここは理解不足。印刷に詳しい同僚とDTPにほぼ任せてしまっている状態。

制作工程と印刷工程の責任範囲は明確にしとくべし。特に、海外で印刷する場合。印刷工程でどんな調整をされるかわからないからこそ、普通にやればきれいに印刷できるデータを作ることで、制作会社は身を守れる。

DTPで作成されたデータがそのまま印刷出稿データとして印刷工程に送られるため、DTPと編集工程が印刷品質を左右する大事な工程になっている。

◆PDF印刷ワークフロー

◆素材の検証・最適化作業

  • 画像データの解像度と色変換
  • 最終的に印刷するデータは、初めから印刷品質の解像度で制作し、運用する
  • 印刷の4現職である「CMYK」か、モノクロ印刷の場合はグレースケールにしておく必要がある。
  • 印刷工程で一括変換することも可能であるが、制作意図を反映できない可能性もあるので、制作工程で変換処理を行うことが望ましい。

◆校正作業と査読作業

DTPのレイアウト作業で完成した印刷出稿データに対しては、レイアウトの確認や文字校正、色校正、場合によっては内容の査読などさまざまな確認作業を行わなければならない。

◆出稿(下版)作業

ネイティブデータ印刷ワークフローの問題点

PDF印刷ワークフローが普及する前の印刷事故原因の多くは、印刷出稿データにおけるイラスト・画像のリンク切れや文字化け色に関するものと、製版工程への指示ミス

PDF/X印刷ワークフローによる問題解決

制作工程でPDF/Xを作成することも検証することも容易である。…この検証作業を「プリフライト」と呼ぶ。
PDF/X印刷ワークフローの運用上の留意点

制作意図を反映した印刷出稿データを制作するまでが制作工程の責任範囲

  • 画像解像度
  • オーバープリント:あるカラーの上に別のカラーを重ねて印刷すること/版ズレに伴う白縁の防止/印刷工程のデジタル化により版ズレのリスクは大幅に減少;アプリケーションソフトによっては白抜き文字などにオーバープリントの設定が施されてしまい、結果として文字が消失してしまうという問題が起きている。
  • ヘアライン:ヘアラインはプリフライトチェックで検出することができるので、ディレクターはーは印刷できる極細線のサイズを理解し、プリフライト基準を構築することが必要である。

出稿された印刷データを自社の印刷設備に最適化した上でこれを印刷するのが印刷工程の責任範囲

PDF/X-1a

CMYK+特色(スポットカラー)だけを許可

2.7 印刷・製本工程

◆面付け
◆製版
◆刷版
◆印刷
◆製本

第3章 紙以外のコンテンツのための制作基盤

第4章 制作ツールの運用管理

4.1 制作ツールの種類と特徴

4.2 フォント

4.3 アプリケーションフォーマット

4.4 データ互換

◆使用するアプリケーションを限定する方法

◆汎用データフォーマットを使用する方法

  • RTFとMIFの活用
  • SGMLとHTMLの活用
  • PDFの活用
  • データの塩漬け保存
  • 長期保存と電子送稿を主目的として採用する

XML技術を採用する方法

4.5 導入コスト

第5章 制作データの運用管理

マネジメントする対象は、最終成果物である印刷物やパッケージ化された電子マニュアルだけではない。

制作されたデータの再利用や多彩なメディア展開を意図するならば、素材データを中心とする制作データもマネジメント対象とする必要がある。

5.1 汎用データフォーマットの種類と特徴

5.2 データ互換

汎用データフォーマットの運用法方を再検討

◆保持できる情報が元のデータと比べて少ない

◆使用の古さを生かした運用を考える

◆データの長期保存や変換もととしての運用はしない

変換元とするデータは、保持している情報量が多いネイティブアプリケーションファイルまたはPDFとするのが基本である。

第6章 紙媒体制作物の管理

6.1 印刷ワークフローの変化の背景

6.2 ネイティブデータ印刷ワークフローと新しい印刷ワークフロー

従来は製版工程で使われていた製版技術が、PDF/X印刷ワークフローでは制作工程と印刷工程に分かれて運用される

制作工程では、印刷に必要な情報をすべて制作者の意図通りの形で含んだ「印刷できるデータ」を作成することが前提となる。

印刷工程では、入稿された「印刷できるデータ」をいかに忠実に印刷するかという技術が必要となる。

その仲立ちをするのが印刷用データの国際標準PDF/X(日本ではその中のPDF/X-1aを採用)である。

◆制作工程におけるプリフライト

  • ヘアライン、色和、画像解像度、オーバープリントなど
  • Adobe Acrobat Professionalのプリフライト、分版プレビュー、オーバープリントプレビューなどの機能を使用
  • 制作工程は、確認済みのPDF/X-1a準拠の印刷用データを出稿する

◆プリプレス工程におけるプリフライト
◆プリプレス工程によるデジタル面付け
◆RIPとCTP出力
◆印刷工程・製本工程

6.3 プリントオンデマンド
6.4 印刷用紙
6.5 インキ
6.6 印刷コスト

第7章 紙媒体以外の制作物の管理

7.1 HTML/XMLコンテンツ

7.2 PDFコンテンツ

◆PDF/X
◆PDF/A
◆PDF/E

7.3 Flashコンテンツ

7.4 Webコンテンツ

プロトコル
◆Webサーバー
ドメイン

7.5 そのほか

◆CD-ROM
◆DVDディスク
◆組み込み型操作支援情報

第8章 制作基盤と制作データの標準化技術

第4編 付帯技術

マニュアルの対象はさまざまな製品分野、幅広いユーザー層にわたる。…高品質で、満足度の高いマニュアルを制作するためには、内容の正確性や検索性などに加え、こうした点にも配慮する必要がある。

第1章 認知科学

第2章 コンプライアンス

第3章 その他の付帯技術

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