タイトルとかはないよ、いまんとこ。

>アスペな自分 頭でっかちにならないように、体験ベースで書けよ。

川上未映子氏の妊娠・出産・子育ての話を聞いて予習する:きみは赤ちゃん

妻の第一子妊娠中、心構えとして読んでいたエッセイ。

妻がなにを考えるのか(考える可能性があるのか)についての良い予習になった。予習できたからといって対処できる訳ではないし、やはりどこまで行っても男は出産できないのだけど、共感(同調)できなくても受け止めるための素地を作ってくれた本だと思う。

この本で聞きかじっただけで、血肉になっていない言葉を妻に伝えてしまったこともあったと思う。

妻についてのプライバシーが含まれやすいテーマなので…コメント少なめ公開。本がエッセイなので、この記事も、情緒的な、ポエミーな、自分語り的な記事になっていくと思います。

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出産編 できたら、こうなった!

つわり

いかに妻に休息と栄養と水分をとってもらうか。

麦茶最高。安くて簡単に作れて妊婦にも赤ちゃんに安心。コーヒー大好きな私も、眼精疲労の偏頭痛時など単純に水分補給したいときなど、カフェイン疲れしたときにはがぶ飲み。

ただ、飲みまくると飽きるね。

授乳が続く今でも「牛乳屋さんのやさしいミルクティー」と「牛乳屋さんのやさしい珈琲」のカフェインレス版は大量ストックしています。

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出生前検査を受ける

たくさん調べてたくさん考えてたくさん話し合いました。

おなかの赤ちゃん、まだ産まれずにいる赤ちゃんだけど、すでに愛しくて仕方がなかった。

その感情は、我々夫婦が、おなかの赤ちゃんを「キャラ化」し、台詞を当てレコしながら、赤ちゃんと「会話」していたことからきている部分も大きいと思う。それは、今も続いている。当然ながらこれは実際には、夫婦のコミュニケーションが密になるということだ。子供を使って夫婦がやりとりするのは良くないかもしれないが、この程度は許されるだろう。

そのころと今とどちらがかわいいか、と聞かれても、答えられないな。それぞれにかわいい。ただ、妻の感覚とは全く違うだろうな。私は、おなかに宿していたわけではないので。

少なくともわたしは出生前検査をした時点で、「きみよ、生まれてこい、わたしがありのままで受けとめる」という態度はとらなかったんだな、ということは事実だった。後悔とか、後ろめたさとか、そういうのじゃないけれど、でもたしかに、それは点のような空白として、わたしのなかに残っている。

かかりすぎるお金と痛みについて

他人が人に「痛みを味わったほうがいい」なんて、たとえ口にはしなくても、そう思える発想って、かなりおかしいと思うのだけれど。

生みたい気持ちは誰のもの?

基本的に「年齢もこんなになってから生むなんて、この出産、野田聖子さんのエゴすぎる」っていう先入観とか意見とかが、とにかく多いみたいだった。 でも、そんな批判はまったく成り立たないと思う。 だってすべての出産は、親のエゴだから。

夫婦の危機とか、冬

この感覚は妻も共感できるだろう。

さらに、子どもが生まれてから、周囲からは黒子のように扱われることが多いらしい。赤ちゃんはかわいい。なでたくなる。なでた拍子に、たとえば妻の体に触れてしまったとしても、無効。妻もそれを受け入れてはいるけれど、子どもがいなかったらあり得ないことだよなー。

断るのは必ずやわたしでなければならない、これはそういう話なのだ。この状態&シチュエーションで、「ダメダメ~」と拒否するのは、わたししかありえないのだ! 「その気になれなーい」のはあべでなく、 つ ね に わ た し でないとならなかったのだ!

いま、できることのすべて

たくさん話して、おたがいが考えていることを、できるだけ伝えること。 相手のすべてをあたりまえと思わずに、努力しなければならないことが、やまほどあるような、そんな気がした。

なんとか誕生

笑顔で呼吸法の真似していたら、バカみたいな顔で気が和んで助かったみたいなこと言われた。お医者さん、看護士さんや助産士さんがなんだかすごく明るくてそれに影響を受けて、「悲しいことが起きてるわけじゃない。命がけだけど、すてきなことが起きてるんだ。明るく行こう!」と思えた。

妻はそれどころじゃなかっただろうけど、夫としてあの場で出来ることなんて実質無いのだろうから、あの時点でのベストな選択だったとおもっている。

直前までは、マンガみたいに命を落とす可能性だってあるんだ、とは思っていたし、事実その可能性はある。

産後編 生んだら、こうなった!

乳として

靴擦れと同じというのも、なかなかに衝撃だったが、母乳というのは基本的に血液で、授乳というのは吸血されることと同じだ、というのも、衝撃を受けた。

体力奪われ続ける上に、満足に寝ることもできない。

吸いつづけられる、というか嚙みつづけられる

「基本的には、靴ずれとおなじだって、考えてほしいの」「く、靴ずれ……」「そう、だからそのまま、GO! って感じなんだよね」

授乳というものがある限り、赤ちゃんを産みたての母親がぐっすり眠る、っていうのは基本的にむずかしいのじゃないだろうか。

かわいい(ハート)拷問★

寝ている妻の枕を不注意で蹴って起こしてしまったことがある。これはおそらく許されることはないだろうな。

ノイローゼにだって、ふつうになるよ。

眠らないし、回復がないから、一日に終わりというものがないのだ。

ただ、もう、うらやましいのである。それがあべであろうがなかろうが、眠れている人がうらやましいのである。飢えた人が、食べものを食べている人をみる心理とはこのような状態なのではないだろうか。

思わず、「わたし赤ちゃんに会うために生まれてきたわ」といってしまいそう

そう思ったことはない。かわいくて仕方がないことは間違いないけど。

頭のかたちは遺伝なのか

たしかに生まれてすぐはぴすたちをみたいに長くって、向き癖もあって平らになっていって、それでも、11か月の今ではずいぶん丸くなってきた。

それよりも、クレヨンしんちゃんみたいなほっぺたや、つぶれた鼻、そして鼻毛が未だに生えていない娘の合いらしい姿よ。

3ヶ月目を号泣でむかえる

あべちゃんは「無理しないでね」といいつつも、わたしの作った料理を食べ(ふつうそりゃ食べるよね、でもこのことが後々、ものすごい恨みとなって爆発する)、皿を洗い、そしてわたしは授乳と抱っこのあいだ、本来ならなにもしないで体力回復にあてなければならなかった空白の時間を「ひとつ残らず、埋めなければならない」とい強迫観念に追われて、つねに体と頭を動かしつづけていた。

ひきつづき、かかりすぎるお金のことなど

オニについてさっと気がついて早く対応がとれ(なんだかんだいっても母親のほうが赤ちゃんについてもっている情報量が多いので)、そしてなにより授乳をしているのがわたしという時点で、あべちゃんとわたしが同様にオニに接し、おなじだけむきあえるということはありえない。

出産前に、いろいろなリサーチの末に準備していた品々は、7割使えて、3割はいらなかったといつところだろうかしら

そして、毎日、わからないことだらけだった。

父とは何か、男とは何か★

自分が妻に娘に頼ってるってことを自覚しなきゃいけないと思う。具体的にどんなことを妻がしてくれているのかを知らなきゃいけない気がする。それによってどう助けられているのか。次の節で出てくる「完全な他人になっていく」というのは、自立と相互依存のことかもしれない。この本の中でも詳しく書かれずわたしも未消化なのだが。

男は授乳以外全部やって、やっとちょうど同じといえるのでは、というのは肝に銘じている。で、実際どうかというと、たぶん、そこまでやったとしても、まだまだぜんぜん同じレベルになんて達することはできないと思ってる。私としてはどんどんやっているつもりでも、妻に休んでもらうまでには至らない。。。

父親になる資格とか準備とか、そんなこと考えたりもしたけど、生まれてしまえばそんなことよりも、とにかく、世話をする、家事をする。動く。そして、べらぼうに、かわいい。

新生児期は、ひとときも離れれない状況になりがち。この時期は第三者に入ってもらうのが難しいことも多い気がする。妻の負担を減らすには可能な限り妻だけでなく自分も子どものそばにいることが大事かも。最初の1か月弱は妻のお母様がサポートには入ってくださっていたが、そのあとは私の役割…のはずだが、足りてなかった。有給も育休も活用して時間作るべきだろうな。

※このセクションの関連リンク、がんがん増えていく。。。実践できなきゃ意味ないのに。今日も奥さんからSOS。

簡単にいうと全方位的に「まじ限界」という状況におかれる

それから、「おなじくらい」やってるっていう発想がそもそもおかしいとは思わないのだろうか?こっちはおなかを切ってオニを生んでからこっち、またく眠っていないのにくわえてホルモンの崩れで頭が半分おかしくなっているのに、おなじくらいって、それはいったいどうなんだろう。

ほかのことはぜんぶ、ぜんぶ男(あべちゃん)がするくらいで、ちょうどなんじゃないだろうか。

夫が望んでも望まなくても、平日の家事と育児は妻がやるしかそりゃなくなるよ。だって日本の就労システムがそもそもそういう仕組みになってるんだもん。でも、それを夫が当然と受け止めるのか、そうでないかで、気持ちってぜんぜん変わってくるものだと思うのだよね。

オニのお世話は授乳以外、すべて完璧にこなして、問題があればどこまでも話しあうことをいとわないあべちゃんという夫がいても、不満が爆発してまじで頭がおかしくなりそう


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※『プロチチ(1)』より。「そうね。実家に帰りたいわ」って妻なら返すだろう)

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夫婦の危機とか、夏★

どれだけ自分の生活を変えたのか、は我々夫婦でも常々問題になる。個人の中で変わったかどうかではなく、母になるのはスーパー大変だ、ということだと思う。

食事についても同様で、私も料理はできない。が、子供が産まれてからは、自分の昼ご飯の弁当ぐらいは5時起きで諸々の家事と一緒にやるようになった。

※これは、娘の成長と共に少し変化。年明け=7か月頃までに妻への愛着が強く、私では寝かし付けが旨く行かなくなってしまった。仕事で夜遅く朝しか娘に会えない(朝も寝ていてあえない)ことも増えたため、妻と娘の活動時間を前倒し、朝家事は途中で交代、弁当は妻に任せ、6時半以降は娘と遊ぶことにした。

保育士の妻と、発達障害グレーゾーンの私の子育てで、私が家事すらやらない、という選択肢は、無い。やったとしても時間はかかるし失敗も多いという状態ではあるが。あと、そんな状態だと、妻に何か言われてかちんときたとして、口答えするような権利も、基本ないな。(たとえば、「どうせ仕事もそんな感じでとろいんでしょ」とか、ね)

「わたしの赤ちゃん」と妻もよく言う。これについては、若干のもやもやがある。父であるわたしの子でもあるのだ。ただし、やはり、生みの母というのは、やはり、格が違う。

1か月検診を終え、外出許可が出たら、児童館などを活用して、妻と子どもが人と社会と接する時間を可能な限り作ること。自分が仕事の間、妻と子の1対1の状態で向き合い続けさせないこと。そうしないとつぶれるという認識を夫婦で共有すること。それで救える心があると思う。

※私の妻は人を巻き込むことが上手だと思う。そうやって巻き込まれた結果私は結婚をしたし、新型コロナで頼りにしていた地域のイベントが軒並み中止された中で、それでは、と家に児童館でできた友達を招いてプチ児童館化したり。そうすることでガス抜きをしたり、気付きを得たりして、回復を試みているように思う。

そうだったよな……ああだったよな……リアルタイムのことだけでなく、生んだ直後のちょっとした会話のすみずみまでを思い出しては、とめどもなく怒りがこみあげてきたりするのだ。

いつだったか「おれだっておれなりに、いろいろなことを犠牲にしている」とあべちゃんはいったけれど、それをよくわたしにいえたよな……と思いだしてはまた悔しくて涙がでたりした。

オニはわたしが生んだ、わたしのあかちゃんだもの。

なぜ、こんな状態のわたしが大人であるあべちゃんの食べるものをつくらなければならないの。

もともと入籍には反対だった(入籍制度、ひいては戸籍制度に疑問があるので)。それなのに、なんでこんな思いまでして男であるあべちゃんと一緒にいなければならないのだろう。

この時期にアイフォンに書いていた文章をたまに読み返すことがある。…「出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎えいれて、さらに完全な他人になっていく、その過程である」

「完全な他人になる」。このことが何を示すのか、実感できるようになるのか。これが、この本から受け取って大きな宿題になった。20年5月時点では、「共に暮らすことを望んだが、同調し一体になることを望んではいない」ということと、同義かもしれない、と思っている。これは、極限まで行けば攻殻機動隊の名台詞「我々の間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」に繋がる。ただ、これは、有能な人間を集めたときに起こるケミストリー。凡庸未満の私の場合は、「相手の目的を理解した上で自分の言動を決める」程度のところに落ち着くだろうと思う。そのためのコミュニケーション術を実習中。(20/5/30)

※妻のもう一つの主張は「これまでがんばって生きてきたのに、なぜ今度はこれまでがんばってこなかった奴のためにがんばらなきゃいけないのか。」というものがあり、本当にそうだと思う。私が学生時代ふらふらとしていたことで、今、妻が在宅ワークで私の奨学金を返してくれている(稼ぎが返済額と同額らしい)。高校に奨学金(利子付き要返済)で行くということが、その後どんなだけ負荷になるか、中卒時点の私にはわかっていなかったし、その後も無自覚に生きてきた。

いざ、離乳食

大人と同じ物が食べられないので、3回食になると、一日に食事が6回あるのと変わらないぐらい、一日中食事のことを考えていて、それは、冷凍の作り置きで作業を減らしたとしても変わらない。相変わらず授乳は続くし、かなりしんどい様子。

仕事か育児か、あらゆるところに罪悪感が

2020年3月、新型コロナウィルスによる感染症が流行したきっかけで、仕事が詰まっていないタイミングでの在宅を試してみることに。

※これについては、別記事参照。

むちゃくちゃなことをいわせてもらえば、「24時間仕事をして、そして24時間子育てしたい」

人生は変数×変数。「こうしたから、こうなる」ということはまずないこであって、つまり、現在の選択が将来にどのような影響を及ぼすのかについてこまかく心配しても、きっとしょうがないのである。

グッバイおっぱい

案ずるより生むが易し、という言葉がある。そしてその言葉を女がつくり、ひろめたのなら話はわかるけれど、男発信だったとしたらまじむかつくな、というくらいには、生むとか案ずるとか易いとかむずかしいとかに敏感にならざるをえないのが、妊娠&出産を経験し、そして産後を生きるわたしたちだ。生むの、ぜんぜん易しくねえよ!案じさせろや!っていうのもこれ、じつにたしかな実感である。

夢のようにしあわせな朝、それから、夜

娘を抱いて横で寝てるときの愛しさって、恋人の隣にいるときの気持ちと、正直、似てる。これってどうなんだろうか。自然にわき上がってくる感情だし、性的な感じは全くないのだけど。

河合隼男に言わせれば、これは婚期を逃す原因になるとかならないとか。

わたしがオニにものすごく会いたかったからです、すみません、と謝ろう。

まるでみたものと感じていることがそのままかたちになったみたいにして、わたしの目のまえに存在している。

ありがとう、1歳

誕生日におめでとうっていうのはきっと、この1年、ぶじにみんなが一緒に生きることができたっていうことにたいするおめでとうで、そして本当にすごいことなのだと、そういうかもしれない。

あとがき

文庫本のためのあとがき

言うまでもなく、空を目に映さないままであった赤ちゃんがいて、本当にいろいろな赤ちゃんがいて、なのに赤ん坊を生んだばかりのわたしは生の一回性、目の前にあるものに目がくらみ、その当然のことをきちんと想像することができていませんでした。空を見つめる目はたしかに輝かしく、喜びに満ちてはいるけれど、でも目を閉じていても開いていても、生命はつよさとかけがえのない一回性をまとって、しっかりとそこにある。すべての、という言葉を当然のことのように使い、わかっていたはずのこのことを、きちんと表現することができていませんでした。自分にとって本当に大切で重要なこの認識と想像を言葉にできなかったことを、深く恥じています。

世界がまだ柔らかくて何にでも形を変えうるということを、存在のぜんぶで、わたしに見せてくれています。

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