夫婦の絆と相補性：家族関係を考える
結婚して、自分の実家と相手の実家の文化の違いや、これからつくっていく自分の家族とそこでの自分の役割に、悩むようになりました。
本記事では夫婦関係について考えます。親記事はこちら。ずいぶんと違う二人が相補いあうために知らず知らずのうちに出会ってしまうことを運命的と呼ぶ。それを自覚すること…お互いの違いは補い合うために存在すると知ることで、敵対ではなく発展的対立につなげよう、ということか。
結婚は、家族でない人と家族になること。
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４ 夫婦の絆
新しい結合は、古いものの切断を要請する。…この切断の痛みに耐え、新しい絆の再生への努力を分かち合うことこそ、愛と呼べるのではないだろうか。それは多くの人の苦しみと痛みの体験を必要とするものである。
たとえば、日本の古い民法によれば、「家」が大切にされ、女性は「家」に嫁入りをしていったのである。これは「ふたつの歴史」の相克を避けるため、一方の家の歴史の中に嫁が組み込まれることを善とすることにしたのである。
互いに補い合うこと
両性の「意志」によって結婚したと思っていても、当人たちの知らぬところで相補性がはたらいておりーーそれこそが二人をのぼせあがらせた原動力かも知れないのだがーー…これが夫婦関係の運命的な側面であろう。
男と女の相補性の次元は極めて深く、おそらくそれを知りつくすことは不可能であろう。それ故にこそ、われわれは唯一の異性を相手として一生をすごすことができるのである。
今まで夫婦間の相補性として記述してきたことは、それを通じて各人の心の中でやり抜くべき統合過程であるということができる。うちもずいぶんバックボーンというか、育ち、お互いの家の歴史が違うのは、強く感じます。
夫婦間で大きく違うことのひとつは、時間感覚と、その時間でどれだけの成果を生み出すべきと考えているのか。妻は、教職であることもあってか、変化する物事に対して柔軟に答えと成果を一瞬一瞬で出し続けることを良しとするタイプ。しかも、他者の目にに映る自分の姿も常に教育的であるべきと考えている。逆に、待つのが苦手。私は、アスペルガーらしく、答えを出すのに時間がかかる上に、考えはじめて答えを思いつけないと思考停止に陥ってしまう。。。
ただ、私が”まともに”暮らしていくには、妻の存在が不可欠だと思っていて、先日妻に、「あなたはよく私を捕まえた。えらい。」というようなことを言われました。今のところは、悪くはないのかも。
（21/11/13）ところで、私は”まとも”に暮らしたいと本当に感じているだろうか。あるいは、お互いが何を”まとも”と思うかが大きくずれていたときに、ずれたまま一緒にいることが可能か。意味があるか。意味があると仮定しているが、相手をこちら側に組み入れたいという気持ちをゼロにすることが可能か？
※『プロチチ(1)』より。つまりはこう言うことだ。
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妻がとても大切に思っていることを夫が同じようにはとらえていなかったり、妻とは別のことに注目していて、妻が「当然○○だろう」と思うことにまったく気づいていなかったり、妻が意図したこととまったく違う意味で物事を考えていることが、小さな驚きとともに妻の心に積もっていくのです。
（『夫がアスペルガーと思ったとき妻が読む本』宮尾益知／滝口のぞみ）
実践メモ
- 娘がお風呂…というか水が嫌いで、一番嫌いな物は何かって話になった。私はちょっと考えて「拘束」。妻は「無礼」。これは慎重にならないとな、と改めて思った。礼儀は型で、ある種の拘束だから。無礼とは型無し、型破りまでの道は長いわけで。（20/6/13）
内面的離婚／内面的再婚
新たなる「のぼせ」を感じて、その実現化に努力する、という繰り返しとなるならば、それは理想の夫婦とも言えるであろう。…そのような夫婦にとっては、離婚と再婚が内面的に生じることになるであろう。
厳しい言葉で私の不出来をなじられることもあります。そういうときには、結婚生活をどう続けていくべきか、考えてしまうこともあります。結婚前も今も、結局私の”煮え切らない態度”が妻をいらだたせている、という点では、私はあまり変われていないのでしょう。あるいは、”真摯な態度が見られない”とか。こういうときに起きているのが、「内面的離婚」と本の中で呼ばれているものなのでしょうね。どうやって、内面的再婚に持って行くか。
不毛な言い争いになってしまうのは、マイナスな気持ちがそのままでてしまうようなタイミングであることも多そうです。そもそも妻の体調が悪いとか、女性特有の不安定な時期が近づいている、とか、ストレスがそもそもあって、気遣うとか、調節するとか、そういうパワーが足りないとき。妻の機嫌によって、内面的離婚再婚が短期間に繰り返されると、振り回されて疲れることもありますが、これも相補性、なんでしょう。
(20/12/20)後ろ向きなことばかり書いてしまいましたが、大切なのはいかに「のぼせるか」。好きなとこ探し、かわいいところ探しですよね。子育てユニット期に入ってしまうと自分のミスに対しての指摘は当然厳しくなってくるので、その状況でいかに相手の「かわいい」ところにすかさず「ほれ」、「のぼせる」か。
(21/3/14)先日妻が「飲み友達と結婚したようなもん」といってて、なんか妙に納得してしまった。
実践メモ
- 私は情緒的な共同生活に向いていないのかも。独身の時のように、淡々と自分のことをする時間をあえて作っていったほうが、多少さみしくても上手くいくかもしれん。ただ、これは、河合氏の考え方から行くと、真の自立ではなく、見せかけの自立（＝孤立）だろう。暫定処置にしかならない。でも、今は、乱高下するよりは、低空飛行でも安定したい。(20/4/5）
- 妻に認められたい。世の中一般から受け入れられるとか受け入れられないとか、そういう普遍的価値でなくていい。もちろん、それと重なってもいいのだけど、それよりも、妻に、存在を認めてもらいたい。必要とされたい。それを追求し続けるための手段としての、結婚だったのかも。（20/5/1）
- 結婚生活というのは、継続それ自体に価値があるのだと思う。なんだかドラッカーみたいだね。（20/6/18）
- アスペルガー特性が攻撃性と結びついてしまうと、それが暴力ではなく言葉であっても、対処し続けることは、自分も、妻も、しんどい。アスペルガーを克服したらしい女性をTwitter上で1人知っているが、本当にとんでもない努力をし続けているはずだ。敬服する。奇跡の逆転を狙う方法は一つ。本気で生きること。その結果を受け止めること。（20/7/5）
- Xデーが「セドリの在庫を売り切ったら」に確定。ただし、それまでに自分で決めた3つのことをクリアできたら、回避。次の3つにした。1)食事マナーのうちお皿を必ずキレイに持つ、2)部屋を出るときは扉を閉め電気を消す、3)娘の面倒を見てるときは携帯を見ない。本丸は「まず謝る」だが、これは基準が曖昧とのことで外れた。（20/7/17）
私が診ている中ですごくうまくいっている人がいて、その人のご主人はどうも純粋なアスペルガーの方のようでしたが、『あなたはなぜカサンドラにならないの？』と聞いてみたら、彼女いわく、『私はお見合いですから、最初から何の期待もしていません』と。お見合い結婚では、この人はこれぐらいの地位の人で、将来の見通しはこうだという条件で結婚して、それ以上は求めなかったことが良かったようです。アスペルガーの男性と結婚する時に、『自分の旦那と思わずに、誰か困った男性のヘルパーに入ったのだ』と思うと、気持ちが楽になるようです。自分は妻だと思うから我慢できないのであって、距離を適切に取れば、うまくやっていくこともできます。
最終的に考えるべきは、あなたにとってこの結婚を続けることにメリットがあるかどうかということ。別れることはいつでもできる。自分が１人になった時と、旦那と一緒に暮らすことをてんびんにかけて、どちらが得なのかを考えてくださいと僕は伝えますね。ある女医さんは旦那さんがアスペルガーで、別居に踏み切ったんです。東日本大震災が起きて、その旦那さんは東北にボランティアに行ったのですが、厳しい現実を目の当たりにして、他人の立場でものを考えることができるようになりました。そこからまた同居するようになったのです。アスペルガーの人はずっと変われないわけではありません。とても時間がかかりますが。
お互いの世界を大切にするなど、お互いが人として大事にし合えるような家庭が築けると良いですね。こうして、そのご夫婦の子どもが幸せに育って、良い大人になり、パートナーも幸せにできるようになってほしいと思っています。
夫婦関係と発達障害（下）「言外の意味」どう伝えるか | ヨミドクター(読売新聞)
やり方はあるでしょう。
支援者なら出来て然るべき。
障害の内容も熟知してるし、対処法も分かる。
ただね…『配偶者』は支援者ではないので、知らなかった世界を知るところから始めるんですよ…
その勉強開始の時点で『カサンドラ』の症状が末期に達してる事が多いのですよ…
これが大きなポイント
ひーちゃんカレー (@hiichan135)
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