タイトルとかはないよ、いまんとこ。

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松尾潔のメロウな夜 21/1/25 「R&Bの美学」文字起こし

普段書いている記事のテーマとは少し離れます。

私が毎週楽しみにしている「松尾潔のメロウな夜」というラジオ番組。
日本のR&Bライター/プロデューサー松尾潔氏がR&Bを紹介する番組です。
その中で松尾潔氏が第421回 2021年1月25日放送分で「R&Bの美学」について語っていました。
www4.nhk.or.jp

資料として残しておきたい語りだったので、
文字起こしをブログに残しておきます。

一番グッとくるのは、次のライン。

似ているっていうことがオリジナリティの欠如だっていうような
そういうネガティヴな評価に繋がる、そんな短絡的なものでもないんですよね、R&Bの美学っていうのは。

あらゆるジャンルに通ずる考え方じゃないかなと思います。パクリとか似てるとか、騒ぐのは楽しいですけど、その時には、そのジャンルへの愛がほしいですよね。

書き起こしと、オンエア楽曲

1. On the Red Carpet / Skoop On Somebody
2. Universe / Ty Dolla $ign feat. Kehlani
3. Lucky / Tiana Major9
4. Chosen One / Layton Greene
5. My World / Asiahn

(前2曲を受けての語り)

こういう音楽をずっと聴いてると、例えばAsiahnの歌声と、Kiana Ledéがどうしたとか、Summerwalkerがどうしたとか、いやいやLayton Greeneの歌い方がいいんだとか声がいいんだとか、いろんなお話が楽しめるし盛り上がるんですけど


ちょっと距離を置いて聞いてるぐらいの人たちからすると、なんか全部おんなじにきこちゃうっていう人もたくさんいらっしゃると思いますが、これね、この番組の中でもう10年以上にわたって口を酸っぱくして言ってますけども似ているっていうことがオリジナリティの欠如だっていうような、そういうネガティヴな評価に繋がる、そんな短絡的なものでもないんですよね、R&Bの美学っていうのは。


今流行っているものにある程度似ている寄せている、流行っている要素を含んでいる。が、総体としては何か新しいものを提示している。どこかで新しいものがあればいいんですよ。それぐらいの感じで一つの集団として新しい知を創造していく。


っていうようなね、ちょっとなんか難しい言い方をしちゃったかもしれませんけど、そういうものなんですよね。1曲が革命的な何かを提示するっていうことも時にはありますけれども、やっぱりそれは突発的なことではなかったんだなっていうのが後になって分かってきたりする、っていうのがこのR&Bをずっと聞き続ける楽しみなのかなっていう気がしますね。


Layton Greeneの「Chosen One」にしても、Sacrifice FlyさんがおっしゃっていたようにMtumeの「Juicy Fruits」がサンプリングされてますねっていうことになりますし、そのねさっきもお話しした通り、Notorious B.I.G.が使った定番ネタだからなっていうことももちろん正しいし、<あ、ちょっとまえにNe-Yoが「U 2 Luv」で使ってたな、Ne-Yoの「U 2 Luv」っていうのはそもそもZappの「Computer Love」っていうのとMtumeの「Juicy Fruits」の合わせ技が面白かったんだよな、あ、「Computer Love」も、そういえばUsherが「Bat Habits」で最近使ってたな>とか


なんかそういう風に、一個一個連なって全体として、大変魅力のある星雲を形成しているようなね、一つ一つの星たちでは叶わないことも、星雲となると、何か人の気持ちを動かすこともあるっていうような、それがR&Bシーン、そしてそのシーンをずっと定点観測していく楽しみなのかなという気がいたします。


じゃあ続いてご紹介しましょう、Chris Brown、ですね。

6. Go Crazy / Chris Brown & Young Thug
7. Whatever You Need / Meek Mill feat. Chris Brown & Ty Dolla $ign
8. (Lay Your Head On My) Pillow / Tony! Toni! Tone!
9. Girl Like Me / Jazmine Sullivan feat. H.E.R.